【胸キュン♡プチ恋愛小説】穏やか愛に包まれて― 君と娘と、新しい家族のかたち(更新中)
2025/02/19
あらすじ:
看護師として働く美咲は、元夫の不倫を知り、幼い娘・結衣を連れて離婚を決意する。シングルマザーとして必死に働きながら娘を育てる美咲は、恋愛や再婚を考える余裕もなく、過去の傷を抱えながら日々を送っていた。しかし、周囲の勧めもあり、一歩踏み出して結婚相談所に登録することに。
初めは乗り気ではなかったものの、担当カウンセラーの明るい言葉に背中を押され、少しずつ前向きになっていく美咲。そんな中、3回目のお見合いで出会ったのは穏やかな性格の翔太だった。娘の結衣ともすぐに打ち解け、優しく支えてくれる翔太に惹かれていく美咲だが、元夫の裏切りの記憶が再婚への決意をためらわせる。
裏切られた過去を乗り越え、もう一度愛を信じ、新しい家族を築くことを決めた美咲の物語は、読者に希望と幸せを感じさせるハッピーエンドのラブストーリー。
登場人物
桐谷美咲(30歳)
看護師として働くシングルマザー。6歳の娘を育てながら、仕事と育児を両立する日々を送っている。夫の不倫が原因で離婚し、恋愛に対して臆病になっている。娘を第一に考え、強く前向きな性格だが、ふとした瞬間に孤独を感じることも。
桐谷結衣(6歳)
美咲の娘。明るく元気な女の子。母親を支えたいと健気に振る舞うが、父親を恋しがる一面もある。母親の幸せを願っている。
早瀬翔太(32歳)
美咲が利用する結婚相談所で出会う男性。誠実で穏やかな性格。医療機器メーカーに勤務し、過去に付き合った女性とのすれ違いから結婚に対して慎重になっている。美咲と出会い、次第に惹かれていく。
結婚相談所スタッフ:佐藤奈々(28歳)
美咲の担当カウンセラー。明るく親身になって相談に乗り、美咲に再婚への一歩を踏み出すきっかけを与える。
元夫:桐谷拓真(34歳)
美咲の元夫。浮気を繰り返した結果、美咲に離婚を突きつけられる。その後は結衣への接触を求めてくるが、彼自身は再婚し新しい家庭を築いている。
目次
第1章:壊れた家族
「ごめん、俺、他に好きな人ができたんだ。」
電話越しに聞こえた夫の声は、やけに冷たく感じた。言い訳をするでもなく、謝罪をするでもなく、ただ事実を告げるだけの声――その一言で、桐谷美咲の平穏な日常は音を立てて崩れ去った。
結婚して7年。娘の結衣はまだ6歳だ。家族として過ごしてきた時間を思い出すたび、胸が締めつけられる。だが、美咲は泣き崩れることはなかった。母親として、泣く時間さえ惜しい。これからは娘を守ることが最優先だ。
「ママ、大丈夫?」
結衣の小さな手が、美咲の袖をそっと引いた。
「うん、大丈夫。結衣は何も心配しなくていいよ。」
微笑みながらそう答えた美咲は、娘のために強くあろうと心に決めた。
離婚後、美咲は看護師として働きながら結衣を育てる日々を送っていた。日勤に夜勤、交代で回る厳しい勤務の中でも、家に帰れば結衣の笑顔が迎えてくれる。それが何よりの支えだった。
だが、現実は厳しい。シングルマザーとしての生活は想像以上に過酷だ。仕事と家事、育児に追われ、自分の時間など皆無に等しい。恋愛なんて考える余裕はない。それどころか、もう二度と誰かを信じることなんてできないかもしれない――そう思っていた。
ある夜、仕事から帰ってきた美咲は、ふと窓の外を見上げた。満月の光が静かに差し込んでいる。
「これでよかったんだよね……」
誰にも届かない言葉を呟く。自分に言い聞かせるように。
しかし、その強がりの裏には、心のどこかで感じている孤独があった。誰かに頼りたい、甘えたい――そんな弱い自分を押し殺しながら、美咲は今日も必死で前を向いて生きていく。
「ママ、明日は一緒に公園行ける?」
「うん、お休みだから行こうね。」
娘の笑顔に救われながら、美咲は少しだけ心が軽くなるのを感じた。この笑顔を守るためなら、何だってできる。
だが、そんな美咲の生活に、やがて新しい出会いが訪れるとは、このとき想像もしていなかった――。
第2章:新しい一歩
「美咲、そろそろ考えてみたら?」
職場の先輩で親しい友人でもある沙織が、休憩室でお茶を飲みながら何気なく言った。
「考えるって、何を?」
「再婚だよ。美咲、まだ30歳なんだから。このまま一生一人でいるつもり?」
再婚――その言葉を聞いて、美咲はわずかに眉をひそめた。離婚してから数年。恋愛どころか、自分のことで精一杯の日々が続いていた。再婚なんて、考えたこともない。それに、もう一度誰かを愛する自信なんて……。
「うーん、まだそんな余裕ないかな。娘もいるし。」
そう言いながらも、沙織の言葉が頭の片隅に引っかかっていた。娘の結衣のことを考えると、このまま父親のいない環境で育てていいのだろうか、という不安もどこかにある。
その日の夜、美咲は一人でリビングのソファに座り、ため息をついた。
「私は、これでいいのかな……」
離婚してからは、看護師としての仕事と母親としての役割を全力でこなすことに必死だった。だが、自分はまだ30歳。母親である前に、一人の女性でもある。このまま女性として誰にも愛されないのは、少し寂しい――そう感じる自分も確かにいた。
数日後、美咲は職場の沙織に言われたことを思い出し、思い切って結婚相談所を検索してみた。
「結婚相談所なんて、なんだかハードル高いな……」
画面を見つめながらつぶやく。だが、周囲の勧めもあり、娘のためにも父親が必要かもしれないという思いが頭をよぎる。
「やってみるだけ、やってみようか……」
そう決意し、美咲は結婚相談所に登録することを決めた。
「こんにちは!桐谷美咲さんですね?本日担当するカウンセラーの奈々です!」
結婚相談所を訪れた美咲を明るい声で出迎えたのは、担当カウンセラーの奈々だった。年齢は美咲と同じくらいだろうか。爽やかな笑顔に、少し緊張していた美咲の心が和らぐ。
「最初はみなさん緊張されますが、私たちがしっかりサポートしますので安心してくださいね。焦らず、ゆっくり進めていきましょう。」
奈々の言葉に、重かった心が少し軽くなるのを感じた。
「焦らず、ゆっくり……か。」
美咲は奈々の笑顔に励まされ、再婚に向けた新しい一歩を踏み出す決意を固めたのだった。
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