【胸キュン♡プチ恋愛小説】君と歩く、その先へ(完)
2024/12/11
ジャンル: 職場を舞台にしたライトな恋愛小説(両片思い × 社内恋愛)
文字数: 約7,820文字(5章構成)
所要時間:約15分
あらすじ:
広告代理店で働く美羽は、明るく真面目だが自分の恋愛に不器用な女性。そんな彼女に密かに想いを寄せるのは、同僚の悠真。彼もまた仕事熱心で誠実な性格だが、美羽への想いを伝えられずにいる。
ある日・・・。
この物語は、胸がキュンとする場面や、現代の働く女性たちが共感できる要素を散りばめながら、読み手に温かい気持ちを届けるラブストーリーです。
主な登場人物
主人公
名前: 桜井美羽 (25歳)
職業: PR部門の社員
性格: 明るく、気遣い上手だが、恋愛には奥手。自分の気持ちを伝えるのが苦手。
趣味: カフェ巡り、ノートに日々のちょっとした「幸せ」を書き留めること。
お相手
名前: 鈴木悠真 (28歳)
職業: 開発部のリーダー
性格: クールで真面目だが、不器用で口数が少ない。誰にでも親切だが、美羽には少しだけ特別な態度を見せる。
趣味: サウナ巡り、読書(恋愛小説は密かに好き)。
その他の登場人物
友人1: 坂井茜(美羽の同期、よき相談相手で恋愛マスター)
友人2: 山下健斗(悠真の後輩、明るくお節介な性格)
目次
第一章: 出会いと微妙な距離感
朝8時45分。オフィスの入り口を通るたびに胸がぎゅっと縮むのはいつものことだ。今日こそ失敗しない。そう心に決めて会議室のドアを開けると、既に同僚たちが揃っていた。
「遅れてごめんなさい!」軽く頭を下げながら席につくと、プレゼン資料を机に広げる。今日のプレゼンは、美羽にとって大きな挑戦だった。緊張で手が震えるのを隠すように資料を持つ。
「それでは、桜井さん、お願いします。」部長の促しに、立ち上がった。
資料をスクリーンに映し、話し始めるものの、頭が真っ白になる。想定外の質問が飛んできて、うまく答えられない。
「えっと…その件については、後ほど…」か細い声で答えると、微かに周囲からため息が漏れた。
会議が終わった後、美羽はデスクに戻るのも辛く、廊下の隅にしゃがみこんだ。自分の至らなさに押しつぶされそうだった。
そんな時、聞き慣れない声が近づいてきた。
「桜井さん、これ。」
顔を上げると、鈴木悠真が缶コーヒーを差し出していた。
彼とは仕事の接点がほとんどなく、言葉を交わす機会もなかった。それだけに、彼が目の前にいることが不思議で、しばらく固まってしまった。
「ありがとうございます…」缶を受け取ると、ほんの少しだけ温かい笑顔を見せてくれた。
「さっきのプレゼン、ちゃんと要点伝わってたと思うよ。質問が鋭かっただけで、内容は良かった。」
その一言で、美羽の胸の中に溜まっていた重たいものが少し軽くなった気がした。
翌日から、美羽は彼を意識するようになった。遠くのデスクに座る彼がどんな表情をしているのか、気づけば目で追ってしまう。気持ちを知られるのが怖くて、目が合いそうになるとすぐに逸らした。
そんな中、部長から急な依頼が舞い込む。
「桜井さん、次のプロジェクトで鈴木君と一緒にやってもらうことになったから。」
驚きと喜び、そして緊張が入り混じる。
「よろしくお願いします。」初めてちゃんと話す機会が訪れた。
「こちらこそ、よろしく。」鈴木の声はいつもより柔らかかった。
二人は会議室で資料を広げ、意見を交わすようになる。美羽が意見を出すたびに、彼は少し考えてから真剣に答える。その態度が嬉しくて、もっと自分も頑張ろうと思えた。
ある日、美羽は資料の印刷をミスして落ち込んでいた。
「これ、修正したいんだけど…時間がかかりそうで…」
「手伝うよ。」彼の言葉に救われた。
一緒に作業をするうちに、彼の丁寧さや気配りに触れ、心が温かくなる。彼が美羽にだけ見せる優しさなのか、それとも誰にでも同じように接するのか。その答えがわからなくて、もどかしい気持ちが募った。
仕事の後、美羽は友人の茜に相談を持ちかけた。
「茜、どうしよう…最近、鈴木さんが気になって仕方ないの。」
茜は笑いながら言った。
「もうそれ、好きなんじゃない?アプローチしてみたら?」
「でも、どうやって…」
茜は腕を組み、しばらく考えてから提案する。
「例えば、いつもありがとうって小さなメモを渡してみるとか?」
「それなら、私にもできるかも。」
次の日、勇気を振り絞り、美羽は「いつもありがとう」と書いたメモを小さな封筒に入れて、彼のデスクにそっと置いた。
その日の夕方、彼が「ありがとう。これ、嬉しかった。」と控えめに言ってくれた時、美羽の心はふわりと浮かび上がるようだった。
第二章: 募る想い
プロジェクトが本格的に始動して数週間が経った。
美羽と悠真は、日々のミーティングや資料作成を通じて、少しずつ打ち解けていった。
会話は仕事のことばかりだったけれど、彼の些細な表情や言葉に、美羽は何度も胸をときめかせていた。
その一方で、自分の気持ちがだんだんと大きくなることに戸惑いを感じていた。仕事相手として信頼できる彼を、同時に「好きだ」と感じてしまうことが怖かった。
「桜井さん、今日の資料ありがとう。助かったよ。」
ある日の夕方、悠真が美羽のデスクにやってきた。彼はいつも言葉少なに感謝を伝える。それがとても彼らしいと思った。
「いえ、こちらこそ。鈴木さんのアドバイスがなかったら、うまくまとめられなかったです。」
会話はそこで終わるかと思いきや、彼は少し躊躇ったように言葉を続けた。
「そういえば、桜井さんって、普段はどんなカフェが好きなの?」
「え?」突然のプライベートな質問に、少し戸惑う美羽。
「あ、いや、資料を作る時にカフェで集中してるって言ってたから、どんな場所が好きなのかなって思っただけ。」
彼が少し照れくさそうに目を逸らすのを見て、美羽の心が跳ねた。
「えっと…落ち着いた雰囲気で、静かすぎないところが好きです。おすすめがあれば教えてくださいね!」
「そうだな…。じゃあ、今度一緒に行けたらいいね。」
その言葉が冗談なのか本気なのか、彼の真剣な表情からは判断がつかず、美羽は曖昧に笑って返した。
プロジェクトが進むにつれて、二人の関係は着実に近づいていたが、同時に「踏み出せない一歩」の距離も保たれていた。
そんな中、美羽は悠真のさりげない優しさを何度も感じていた。
彼は、美羽が好きなカフェのスイーツをわざわざ買ってきたり、彼女が席を外している間に資料の誤字を修正しておいてくれたりした。
一方、悠真も美羽の気遣いを受け取っていた。彼が疲れた表情をしていると、美羽はさりげなく「お疲れ様」と書かれたメモをデスクに残していった。悠真はそのメモを誰にも見せず、引き出しにしまいながら何度も読み返していた。
ある日、二人はプロジェクトの外出先で一緒に昼食を取ることになった。
「鈴木さんって、休日は何をしてるんですか?」美羽が聞くと、悠真は少し考えてから答えた。
「本を読むことが多いかな。意外に恋愛小説とか好きなんだ。」
「え!鈴木さんが恋愛小説?」思わず笑ってしまう美羽に、悠真は少し照れたように肩をすくめた。
「まあ、たまにだけどね。でも、人の感情がリアルに描かれてるのが好きなんだ。」
その言葉に、美羽は彼が意外に繊細で感受性豊かな人だと気づいた。ますます彼のことを知りたいと思う自分に気づき、また胸が苦しくなる。
二人の時間は穏やかで、そしてどこか切なかった。どちらも相手を特別だと感じているのに、その気持ちを口に出せないもどかしさがあった。
それでも、美羽は幸せだった。悠真のそばにいられること自体が、自分にとって大きな喜びだったからだ。
悠真も同じように感じていた。ただ、美羽の笑顔を見るたびに、彼女が自分に対してどんな感情を抱いているのか、自信が持てなかった。そして、その一歩を踏み出す勇気がまだ持てずにいた。
二人の両片思いは、ゆっくりと静かに育まれていく。
しかし、その「心地よい距離感」が、次第にすれ違いを生むきっかけになっていくのだった――。
第三章: もどかしさ・切ないすれ違い
プロジェクトが佳境に入るにつれ、美羽と悠真の距離はさらに近づいたように感じていた。
けれども、その関係は同時にどこか曖昧なままだった。お互いを特別だと思っているのに、それを言葉にする勇気がない。そのもどかしさを埋めるように、二人は小さな優しさを繰り返していた。
ある日、美羽はランチを終えてオフィスに戻る途中、エントランス付近で悠真と女性社員が親しげに話しているのを見かけた。
「あの資料、助かりました。本当にありがとうございます!」
女性社員の笑顔に、悠真は軽く頭を下げて答えている。
二人の距離が近く見えた。まるで親しい関係のように見える二人に、美羽の胸がざわついた。
「…鈴木さん、あんなに柔らかい表情もできるんだ。」
自分の知らない悠真の顔を見た気がして、なんとなく心が沈む。
その日の午後、会議室で顔を合わせても、いつも通りの悠真だった。
「これ、確認お願いできますか?」
彼の声は優しくて穏やか。それでも美羽の心には、小さな棘が刺さったままだった。
一方で、悠真もまたすれ違いを感じ始めていた。ある日の休憩時間、美羽が男性社員と楽しそうに話している姿を目撃したのだ。
「本当に桜井さんって仕事が丁寧で、すごいよね。」
男性社員が褒めると、美羽は少し照れたように笑っていた。
悠真はその様子を横目で見ながら、なんとも言えない気持ちに襲われた。美羽の笑顔が輝いて見えるほど、自分が踏み込めない距離を感じた。
「自分なんかが、彼女に近づいてもいいのか?」
そんな弱気な考えが頭をよぎる。
その夜、美羽は茜と飲みに行き、昼間に感じたモヤモヤを打ち明けた。
「鈴木さん、あの女性と仲が良いのかな…。なんか、自分が入る隙なんてない気がして。」
茜は美羽をじっと見つめて言った。
「それ、本当に仲が良いって思ってる?美羽がそう感じるのは、鈴木さんのことが好きだからじゃない?」
「……でも、好きだって伝えるのが怖いの。」
「好きなら好きでいいじゃない。それをどう伝えるかは別の話。まずは自分の気持ちを認めることが大事なんじゃない?」
茜の言葉に、美羽は少しだけ救われた気がした。
次の日、悠真は山下健斗に相談を持ちかけていた。
「桜井さんって、どう思う?」
後輩の健斗はニヤリと笑った。
「え、何ですかそれ。鈴木さんが桜井さんのこと気になってるってことですよね?」
「……いや、そういうわけじゃないけど。」悠真は顔を赤らめながら視線を逸らす。
「正直に言いましょうよ。桜井さんも鈴木さんのこと、絶対気になってますって。見てればわかりますよ。」
「でも、それって俺の思い込みかもしれないし、もし違ったらどうするんだ。」
健斗は肩をすくめた。
「だったら、はっきり聞いてみればいいじゃないですか。今のままだと、鈴木さんが損してますよ。」
健斗の言葉に、悠真は黙り込んだ。
プロジェクトの打ち上げの日、美羽と悠真のすれ違いが最高潮に達する。二人とも相手を意識しているのに、直接話すタイミングを逃し続けた。
そんな中、打ち上げの途中で美羽が外の空気を吸いに席を外すと、悠真がそれに気づいて後を追った。
「桜井さん。」
振り返った美羽の目には、少し涙が滲んでいるように見えた。
「どうした?」悠真が心配そうに声をかける。
「…何でもないです。ただ、疲れちゃって。」
「それ、本当か?」悠真は一歩近づいた。
「…実は、鈴木さんが誰かと仲良さそうにしているのを見ると、自分がバカみたいに思えるんです。」美羽は小さな声で呟いた。
その言葉に、悠真は驚いた表情を見せた。
「俺も、桜井さんが他の人と楽しそうにしているのを見ると、胸が苦しくなる。」
互いにすれ違っていた想いが、初めて重なった瞬間だった。
第四章: 恋に踏み出す一歩
プロジェクトの打ち上げが終わった夜、美羽と悠真は互いの気持ちを知ったものの、それをどうすればいいのかわからなかった。
言葉を交わした後も、心に残るのは戸惑いだった。
翌日、月曜日のオフィスはいつも通りの忙しさだった。
「おはようございます。」
美羽は明るく声をかけたが、悠真と目を合わせることができなかった。
悠真もまた、ぎこちなく会釈を返す。昨日の夜の出来事を思い出すたび、胸がざわついていた。
そんな二人の様子に、同僚たちは気づいていたが、特に深く追及することはなかった。ただ、山下健斗だけは状況を見透かしているような表情をしている。
その日の夕方、悠真は美羽を誘い、オフィスを出た後に近くの公園へ向かった。プロジェクトの成功を祝うため、少し話をしたいと理由をつけたが、内心では昨日のことについてきちんと向き合いたいと思っていた。
「桜井さん、少しだけ時間いい?」
美羽は驚いた顔をしたが、すぐに頷いた。
静かな公園のベンチに座り、二人はしばらくの間、言葉を交わさなかった。冬の夜風が頬を撫でる中、悠真がゆっくりと口を開いた。
「昨日のことだけど…俺、ちゃんと伝えたいと思って。」
「え?」
「俺、桜井さんのことが好きだ。」
その言葉は真っ直ぐで、力強かった。美羽は一瞬驚いたものの、すぐに胸が温かくなるのを感じた。
「私も、鈴木さんのことが好きです。」
自分の気持ちを初めて声にした瞬間、美羽の心の中にあった迷いや不安は、すべて吹き飛んだ。
二人はお互いの気持ちを確かめ合い、笑顔を浮かべた。けれども、同時に仕事の関係性や周囲の目が気になり、不安も残っていた。
「これから、どうする?」悠真が尋ねる。
「そうですね…とりあえず、今まで通り、仕事を大事にしたいです。でも、少しずつ二人の時間も作りたいなって思います。」
「うん、俺もそう思う。無理に急ぐ必要はないけど、ちゃんと向き合っていきたい。」
二人はそう約束し、ゆっくりと歩き出した。
それから数週間、二人は変わらず仕事に励みながら、少しずつプライベートな時間を共有するようになった。ランチを一緒に取ることも増え、休日に映画を観に行く約束もするようになった。
けれども、二人の関係はまだ社内では秘密だった。誰にも知られずに関係を深めていくのは簡単ではなく、時には周囲の視線にハラハラすることもあった。
そんなある日、山下健斗が二人に近づいてきた。
「桜井さん、鈴木さん。最近、仲良いですよね?」
「えっ?」美羽は驚いて声を上げた。
「別に隠さなくてもいいですよ。僕、応援してますから!」健斗はニヤリと笑って、二人を残して去っていった。
「バレてる…?」悠真が呟く。
「かもしれないですね。でも、なんだか悪くないかも。」美羽が微笑んだ。
二人の恋は、少しずつ新しい形を見せ始めた。すれ違いを乗り越えたことで、互いの気持ちは一層深まりつつあった。
これから待ち受ける困難もあるだろう。けれども、二人ならそれを乗り越えていけると信じられる――そんな関係が、そこにはあった。
最終章: 未来への選択
社内恋愛としてスタートした二人の関係は、順調に進んでいるように見えた。
すれ違いを経て絆を深めた美羽と悠真は、仕事もプライベートもお互いを尊重しながら過ごしていた。だが、そんな二人にも新たな選択の時が訪れる。
ある日、部長から悠真に突然の打診があった。
「鈴木君、海外拠点の立ち上げプロジェクトのリーダーを任せたい。君のスキルなら適任だと思うよ。」
それはキャリアにとって大きなチャンスだった。悠真は一度美羽の顔が浮かんだが、その場では即答せず、少し考える時間をもらった。
その日の夜、悠真は美羽を呼び出し、公園のベンチに座りながら話を切り出した。
「実は、海外でのプロジェクトを任されそうなんだ。」
美羽の表情が一瞬硬くなった。
「そうなんですね…。すごいですね、鈴木さんにとって大きなステップだと思います。」
「うん。でも、正直、迷ってる。桜井さんと離れることになるから。」
悠真の真剣な眼差しに、美羽は胸が締めつけられるような思いをした。けれども、彼の夢を応援したいという気持ちが湧き上がってくる。
「鈴木さんがやりたいことなら、私は応援したいです。」
美羽の言葉には、迷いはなかった。悠真はその強さに感謝しつつも、離れることへの不安を隠せなかった。
それから数日間、二人は離れるという現実と向き合いながらも、どうすればお互いを支え合えるかを話し合った。
ある日、ランチを取りながら美羽がふと笑顔で言った。
「遠距離恋愛って、ちょっとドラマみたいじゃないですか?」
「ドラマか…。」悠真は少し苦笑しながら答えた。「それなら、俺たちもいい結末を作らないとな。」
「そうですね。お互い忙しいかもしれないけど、その分成長して、また近くで一緒にいられる日を目指せたらいいな。」
悠真はその言葉を聞き、改めて彼女の存在がどれだけ自分にとって大切かを実感した。
海外赴任が正式に決まり、悠真が出発する日が近づいた。空港で二人は再び向き合った。
「鈴木さん、頑張ってくださいね。」
美羽の笑顔には強い意志が宿っていた。悠真もそれに応えるように頷いた。
「桜井さん、俺、絶対に戻ってくるから。」
「待ってます。どんなに離れてても、私たちの気持ちは変わらないから。」
そう言って、二人は握手を交わした。その手の温もりは、離れていてもお互いを繋ぎ止めるものだと信じられる。
数年後、悠真が無事に日本に戻り、美羽と再会する場面が物語の最後を飾る。
「ただいま。」
「おかえりなさい。」
短い言葉の中に、すべての想いが詰まっている二人の再会は、これからの未来を明るく照らしていた。
エピローグ: 小さな花のように
季節は春。美羽と悠真は、久しぶりに訪れた公園のベンチに座っていた。あの日、すれ違った気持ちを初めて打ち明けた場所だ。
「桜、綺麗ですね。」美羽が目を細めながら呟く。
「うん。なんか、俺たちみたいだな。時間はかかったけど、しっかり咲いてる。」悠真が微笑みながら答える。
二人は、これまでのことを振り返りながら、自然と手を繋いだ。
「海外に行ってる間、正直寂しい時もあったけど、その分、自分自身と向き合う時間ができた気がする。」美羽が静かに話す。
「俺も。お互い離れてても、ちゃんと繋がってるって信じられたから頑張れた。」悠真が頷いた。
その言葉を聞き、美羽は少し顔を赤らめながら言った。
「それって、私たちの関係が根っこみたいだからかもね。離れてても、ずっと繋がってたんだと思う。」
悠真は驚いた表情を浮かべた後、穏やかな笑顔を見せた。
「そうだな。これからも、その根っこを大事にしていこう。」
二人の目線の先には、満開の桜が風に揺れている。大きな未来が待ち受けているかもしれないけれど、二人ならきっと乗り越えていける。
「行こうか。」悠真がそっと立ち上がる。
「うん。」美羽も立ち上がり、その手をしっかりと握った。
二人が歩き出した先には、新しい風景が待っている。お互いの存在を大切にしながら、これからの未来を紡いでいくのだ。
小さな花がまた一つ咲き始めた――二人の未来を祝福するかのように。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
両片思いから恋人になるまでの甘酸っぱい過程や社内恋愛ならではの葛藤とリアリティ、遠距離恋愛を乗り越えた先にある感動などを書いてみました。
- お互いを信じ、成長しながらともに未来を歩む大切さ
- 恋愛だけでなく、仕事や自己実現を通じた自分らしさの追求など
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